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『パンク侍、切られて候』読み終わった

『パンク侍、切られて候』読み終わった。

読み終わったが何と言っていいのか、とにかく面白かったの一言で絞めるのが一番正しい気がする。ただそれで終わらせちゃうとブログの記事として書くにはどうなの、一言言って終わらせるならブログじゃなくてTwitterで済ませろよ、とも思うのでつらつら書きたいと思う。ここからは余談です。

僕が小説で、もっと言えばフィクション全般で面白い小説の基準にしているのが「読んでいて楽しいこと」である。つまりは読んでいて楽しければどう話が収束しようとも面白いと感じるし、逆に言えば読んでいて楽しくない小説は問答無用でうんこ認定する。だからノルウェイの森は読んでいてちっとも楽しくないからうんこ小説だと思うし、世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランドはオチが弱いとか結局何が言いたいのかわからんとかそういう欠点がいくらあろうとも、読んでいる最中は非常に楽しかったのでおもしろ小説だと思う。

そういう基準で言えば、このパンク侍は面白かった。色んな伏線をばらまきまくって、回収は大体出来たにしろ、蔑ろになったものも数知れず、肝心の物語にしても、基本的にノリとテンションであっちこっちをめちゃくちゃに爆破しながら強引に前に進んで行く小説なので、そもそもストーリーの流れなんてものは二の次である。

ただそのノリとテンションを維持するための文章がアホみたいにバカみたいに面白くて、一々笑っては読書が止まり、ツッコミを入れれば読書が止まりと、もう本当に読んでいるのが楽しくて楽しくて仕方なかった。だからこれはおもしろ小説である。

例えば、

  • 猿に芸をさせるシーンにやたらページを割く。
  • 八歳からシャブ中毒だった人間のわけの分からない喋りを聞く。
  • 日本人にありがちな空気を読む人々を正論で粉砕し、ゆとり社員をdisり、団塊をdisり、自意識が傷つくことを極端に恐れる若者をdisる(僕のことか)。
  • facebookできれいな自分をアピールすることにしか頭を使ってなさそうな若者が「素晴らしい仲間に出会えたことに感謝」「自由でキモチイイ奴らが出会ってる」とかアホみたいなことを言っちゃう。
  • 戦で藩がめちゃめちゃになってる中、誰が責任を取るかで揉め出す。そんなことやってる場合じゃないだろ。