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性的メタファーは性的なのか

内心の自由を制限することはできない。内心の自由を制限するってのは洗脳とそんなに変わらない。ゆえに制限するとしたら現実世界にあるものそれ自体に制限をかけるしかない。



もし性的な何かを連想させるものをアウト、とすると、あらゆるものがアウトになりかねない。この前男根のメタファーとかいう馬鹿馬鹿しい話があったけども、誰かがそれを何かのメタファーだと認識した途端、アウトな表現となるならば、あらゆる表現がその可能性を免れない。

また、メタファーだからアウトってのは、内心の自由を侵害するとこにちょっと足踏み入れてない? と思うところもある。

例えば有名な話だが、千と千尋の神隠しにおける油屋、あれはソープランドがモデルになっていると言われている。少なくとも宮﨑監督本人はそう言っている。そう考え出すと、油屋で起こる色々な出来事に何らかの性的メタファーが潜んでいるように思えてくる。しかしぱっと見はそんなのわからない。というかわからなくても全然問題がないつくりになっている。

事実、千と千尋の神隠しはゴールデンタイムに流しても問題ないものとして普通に放送されているわけだし、誰もそれをおかしいことだとも思っていない。そしてそのことには何の問題もない。油屋をソープランドだと解釈しないかぎり、あれはソープランドにはならない。別に宮﨑駿の思い通りに深読みする必要はない。

抽象的に言うならば、個人の内心がそれを性的なものに変換しない限り、それは性的なものにはならない。だから乳首が出てるからR-18とか、そういう誰が見てもわかりやすい制限になるわけだ。

そもそも性的なものであるからそれをアウトにしていいのか、って問題はまた別の話。

日本スゴイ

一昨日テレビでやってた番組、見ながら青汁のCMみたいだなって思っていた。

大雑把に言うと、一つの話に二本テーマがあって、一つは長い間帰っていなかった故郷に帰って家族と感動の再開、という話、もう一つは家族に日本製品を持っていくことで人の心を喜ばせるって話。

なんじゃこりゃと思った。どう考えても日本製品の話いらない。自営業老夫婦、これまで仕事が順調だったのにおじいちゃんがガンに……。けれどもなんとかガンを治し、生活習慣にも気を付けるようになった。実はその手助けをしてるのが青汁なんです! ……いや青汁関係ないよね、それ青汁のおかげじゃなくて病院のおかげだよね。ってなるやつ。あのパターン。

普通に考えたら、長年会ってない家族に会う話のほうがはるかに重要で、そこに無理矢理日本製品をねじ込む必要がない。なんだこの番組は。日本製品の宣伝番組か何かなのか。スポンサーか。スポンサーなのか。それともなんだ。強引にでも「日本スゴイ」ってタグ付けして視聴者を釣ろうっていう作戦なのか。

妄想で書いてみた

とある人が、他人によってAという属性を見出されると、もしその人がAの属性からずれた場合、「あなたはAだったはずではないか、なぜそこから外れた言動をするのだ、あなたはAなのだからAらしい言動をとらなくちゃあおかしいではないか」などと批判されることがある。

というかそれ以前の問題として、たとえば他人があなたのことをAだと規定した時、「今までそんなことは思っていなかった、けれども他人にそう言われるならば、もしかして自分はAなのかもしれない」と思ったりする。だがAってのが具体的にどういう属性であるのか、についてはあんまり詳しくない。

そのうちAの枠から外れた言動をしてしまう。「あなたはAであるはずなのになぜそんなことをしたのだ」と批判される。なるほど、どうやらこれはAという属性とは違う言動らしい、自分はAだからAらしい行動をとらなくちゃいけないな、改善しなくちゃ、と思う。自分がAだと言い出したのは自分ではないのにもかかわらず、である。

Aには何を入れてもいい。オタクでも腐女子でも左翼でも右翼でも男でも女でもなんでも。