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『くたばれインターネット』とてもいい

『くたばれインターネット』という小説がずっと気になっていて、最近ようやく読む機会に恵まれた。まずタイトルが最高でしょ。「くたばれインターネット」だぜ。そして内容も最高だった、「だった」と言ってもまだ全部読んでないどころかちょっとしか読んでないが、だいたいどんな話なのかはわかった。そもそも「話」と言っていいのかわからないが。

むちゃくちゃなのだ。とにかくむちゃくちゃ。以前『さらば、シェヘラザード』という小説を読んだときもなかなかめちゃくちゃだなと思ったが、これはそういうレベルではない。そもそも小説的なフォーマットを完全に無視している。体裁をなしていない。果たしてこれは小説と言っていいのか? 一応ストーリーっぽいものはある。あるがあんまり関係ない。まあストーリーより描写が大事ってのは純文学で言われてることではあるが、この小説? のような何かは、描写すらない。文体はある。文体はとてもいい。好みだ。思想(っぽい)ものもある。いやあるのか? 多分ある。それ以外特に何かあるとは思わない。いわゆる一般的な小説としては。

『くたばれインターネット』が小説なのかどうかについては置いといて、まず間違いないのはこの本が「インターネット」であることだ。読んでいると、まるでPCもしくはスマホを立ち上げ、だらだらとインターネットの文章を読んでいるような気持ちになってくる。僕(あとたぶん皆)がいっつもやってること。それを本の中でやってる。ストーリーっぽいものが始まったと思えば脱線し、黒人白人に関する歴史のようなそうでないようなエッセイが始まり、再びストーリーに戻ったと思えば即座に脱線しエッセイが始まる。とにかく大量のオピニオンを読まされる。端的に言うとネットサーフィン小説。そんな小説が世間に認められるのであればだが。実際この本すごーく人気で12ヶ国語に翻訳されたらしいから、認められたわけだけどな。

この本にはTwitterFacebookや文学やマーベルコミックスに対する印象的な文句がたくさん出てくるので、その文句を読んで喜んだインターネットの人たちが一部を切り取って流している。僕はTwitterで見た。インターネットっぽい小説をインターネットの人がインターネットにアップするの、なんか色々逆転してるような気もするが、たしかにこの小説、インターネットに引用したくなるような文章が多い。それに習って僕も一部引用してみようと思う。

文芸作品というのは上流階級の人間たちによって用いられる術語で、無目的な性行為を、本質的には抵当程度の役にしか立たない諸々の物事に関する、ぐだぐだと回りくどい思考過程と結びつけて展開される種類の書物を指す。これらの方が、無目的な性行為を銃や暴力と結びつけている種類の書物よりは、よほど有益だというのだ。

こういう気の利いた嫌味を延々と読みたい人(というか、この文章を読んで「気の利いた嫌味だな」と思えるタイプの人)には、この本はオススメ。