なにもしらない

アニメ、音楽、本、映画、ゲーム、インターネット

「マイナーだけどハイセンスなボカロ曲」について

ボツにしてた記事蔵出し。

「マイナーだけどハイセンスなボカロ曲集」が示唆すること - ボカロとヒトのあいだ

 

 

この記事のコメントにも書いてあるが、この動画を見て僕が初めて感じたのは「これアングラカタログの焼き直しじゃん」ということだった。

そしてコメント欄に「こういうの欲しかったんだよ」という物があったのが、僕にとっては少しショックだった。つまり今VOCALOIDを聞いている層はアングラカタログの存在を知らないということだ。更に言うと、今のボカロ視聴?者、かつその中でも、ランキングに載っている有名曲「じゃない」ものを聴きたい人々が新規参入する場所として、もはやアングラカタログが機能していないということが、余計にショックだった。

もう一つ思ったのが、マイナーだけど、の「マイナー」の意味が、もはやアングラ的な意味として使われていないということである。このマイナーだけど云々動画を見たのだけれど、音としてマイナーなものはあんまり見つからなかった。大体ポップである。だからなんだろう、つまり、視聴者が聞きたいのは、「アングラ的」な音の曲ではなく、ただマイナーという位置付をされている曲を楽しみたいだけなんじゃないか。

「他の人が聞いている音楽を聴いている俺カッコイイ」という意識は、アングラ的な音使いの曲にも、上記の動画にあるような、アングラでない曲にもあるだろう。ただここには俺カッコイイという意識しか存在しないのではないか、もしくは意識が薄いのではないか、特に「音のマイナーさ」については強くそう思う。

どう言えばいいんだろう、だって多分、例えば、アングラカタログの創始者であり、アングラ界の重鎮でもある、ヒッキーP的な音使いの曲って、どうしたってこの『マイナーだけどハイセンスなボカロ曲』の中には出てこない気がするのだ。そこがなんだかモヤっとするというか、これってただ曲がカッコイイ云々よりもこの場所にいる俺かっけー的な意識がはるかに大きいわけで、ならば、もしこれがボカロじゃなくても成り立ってしまうものじゃないかと思うわけだ。だから例えば『マイナーだけど~』の曲がもし週刊ボカロランキングに載っててもあんまり好意的には見ないんじゃないかと思ってしまうのだ。そういうことを妄想すると、なんだか腹が立つわけである。

  

  • 言い訳

バカなことを言っていると思われるだろうし、僕自身もすごくバカなことを言っているのはわかっているのだけれど、でもやっぱり書かざるを得なかった。

書き終わって思ったのが、これアングラカタログと日刊ボカロランキングはベツモノだな、ということである。

アングラカタログと言うのは基本的にある人が選んだものであるから、大勢の意見というものを反映しにくい部分がある。むしろそうであるからこそ、様々な面白いPが発掘されたわけだが。

逆に日刊ボカロランキングの方は自動投稿である。こっちは大勢の意見が反映される部分が大きいわけだから、よりポップな曲が並ぶようになる。

つまりマイナーだけどハイセンスな云々は、アングラカタログというよりかは、日刊ボカロランキングに近いのではないかと思った。ただ、「日刊」ボカロランキングだとなんだか週刊ボカロランキングの弟分的な意味合いが強くでてしまうのに対し、この動画は週間ランキングからは独立して存在できているので、そういう意味ではタイトルの妙もあるんじゃないか。

「わかんない=悪い」わけじゃない

「高速化するJPOP」をどう受け止めるか 音楽ジャーナリスト3人が徹底討論(1/3) - Real Sound|リアルサウンド


こういう意見を持つおっさんを見ていつも思うのが、自分のはるか下の世代も自分と同じような音楽シーンを生きていて、おんなじような趣味嗜好を持ってると思い込んでるんじゃないかということ。

僕は以前、物心付いた時から初音ミクの曲を聞いている人たちの感覚を理解できない、みたいな話を書いた。

僕が生まれた時代はまだちゃんと邦楽というものが世の中をちゃんと回っていて、今のように、今の音楽を聞く人と聞かない人に別れるような時代ではなかった。少なくとも僕はJ-POPを頻繁に耳にしていた世代である。ただある時からVOCALOIDというものがやって来て、邦楽というものが急速に廃れていったわけだ。初めは邦楽を聞いて育ち、途中からボカロに入り、そこから様々なジャンルの音楽を聞いて洋楽に走る、という流れである。ボカロの隆盛期でもない、商業音楽の隆盛期でもない中途半端な時代を僕は生きている。

それに比べて、今の小中学生はVOCALOIDを聞くことが常識化している。物心ついた頃からVOCALOIDを聞いて育ってきた世代である。

それを何とか理解できると思い込んでいるフシがあるのではなかろうか。VOCALOIDで生きた世代はVOCALOID曲を基準に音楽を理解していくわけで、そんな人々のことを僕はわからん。

特に僕が突っ込みたかったのはここである。

でも、そういう新しい文化ってさ、ヒップホップもパンクもそうだったけど、最初はとにかくかっこよかったじゃない。そういう吸引力がないよね。

あんた自分が何歳だと思ってるんだ、と思うわけである。ヒップホップもパンクも最初はカッコ良かった、なるほど、それはあなたの世代の価値観でしょう、と。

僕が初めてヒップホップを聞いた時、パンクを聞いた時、それらをカッコイイとは思わなかった。というか今もそんなに好きじゃない。特にパンク、そん中でも昔のパンクは駄目だ。どうしようもなく音が好きじゃない。ダサイとすら思う。こういうことを言うと、その世代の人からはこんなこと言われるかもしれない。「俺らはカッコイイと思ってる」「お前にはわからない」そう、他の世代にはわからないのだ。その世代はカッコイイと思ってるのだ。

あなたの世代への吸引力が重要なのではなく、今の若者世代への吸引力が重要なのだ。あなたの世代がカッコイイと思うかではなく、今の若者がカッコイイと思うかが大事なのである。

ちなみに僕は今流行ってるボカロ曲、ハチさんの曲は好きだが、カゲロウデイズは何がいいんだかわからない。千本桜もわからない。ただ、中学生の僕がカゲロウデイズを聞いてたら、かっこいいと思ったのかもしれない。あるいは今の僕でも、わかろうとすれば好きになれるのかもしれない。しかし理解しようと努力をするのは面倒臭いので「わからない」と、判断を保留しておくわけだ。僕はこれはこれで間違っていないと思っている。わからないものをわからないままにしておくことも、大事だと思っているから。

ボカロ曲紹介20131216

新しいブログに移ってから一度もボカロ曲をマトモに紹介していないので、久しぶりにやってみようと思う。

 

つまらない葬式

メロとサビの歌詞の落差で感動させる曲。

 

制空権

とにかく最初から最後までオサレ。

 

ア・パーフェクトデイ・フォー・カイジュー

変だけどポップなメロディ、意味深な歌詞、変拍子、などもうひねくれまくってて大好きな曲。

同じ人だと、昨日投稿されたいないーいないも結構好き。